第 18 号
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環 境

法規部長 近藤慢吾

 近年テレビ,ラジオ,新聞などで環境問題が毎日取りざたされているが,我々,実験動物技術者においても様々な環境問題に直面している。
 『実験動物環境については,実験動物施設の設計・建築,運営・管理,飼育器具器材,飼育管理などにさまざまの問題がある。実験動物関係者はそれぞれの立場であるいは共同的に研究し,そして理想と現実が調和した実際的で経済的な技術を確立し,新しい概念や理論を見いだすべきである。』(山内忠平:実験動物と環境第2号の発刊にあたって.実験動物と環境,2:39-40,1993)と報告している。
 実験動物に影響する環境の因子を要約すると

  1. 飼育環境因子
    1. 気候因子(温度,湿度,気流,風速,換気,気圧など)
    2. 物理的,化学的因子(粉塵,臭気,騒音,振動,照明など)
    3. 住居因子(建物,ラック,ケージ,床敷,給餌器・給水器など)
  2. 栄養因子(飼料,水など)
  3. 生物因子
    1. 同種動物(社会的順位,なわばり,飼育密度,動物の臭いなど)
    2. 異種動物(ヒト,微生物など)
  4. 動物実験(投薬,採血,手術)

等が考えられる。
  動物実験施設は,不特定多数の人が出入りする。施設教職員と利用者および部外者との接触をどのように行うかにも問題がある。
 環境因子の中のヒト(異種動物)についてはどうであろうか。
 日常,実験動物に接触し飼育管理を行う技術者,動物実験等を行う利用者自身の環境問題も考えなければならない。
 人々は異なった社会環境や生活環境の中である程度のバイオリズム「生体にみられる諸種の機能や行動の周期性。一日周期(睡眠と覚醒の典型)・一年周期およびその中間のもの」を保って生活を営んでいる。
 個人差によって違いもあるが,社会環境や生活環境のちょっとした変化によってもこのバイオリズムが乱れることがある。
 たとえば,疾病(風邪などによる発熱・咳など),睡眠不足・二日酔いなどによる倦怠感,家庭争議など悩み事による情緒不安定などが原因として考えられる。
 このような時に飼育管理を行う際,上記のような要素は動物にも大きな影響を与えるので十分注意すべきである。
 したがって,実験動物飼育技術者と施設の教職員は,実験動物の飼育管理を行うために飼育環境の意味と内容を充分理解し,理想と現実が調和出来るように努力することが大切である。