第 6 号
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-- 北から南から --
馬鹿には胆嚢がない!?
川崎医科大学 北 徳

 ある大学院生がセンターにやってきた。計画中の実験について相談したいという。
「ラットの胆嚢を使って実験したいんですが,ラットの胆嚢ってどれくらいの大きさでしょうか?」
「エッ!?そりゃ無理ですよ。」
「どうしてですか?」
「ラットには胆嚢はありませんから。」
「本当ですか?」
「エエ,馬鹿には胆嚢がないんです。」
「ハアー!?」
「胆嚢のない動物もいるんですよ。例えばウマとかシカとか。ラットもそうです。」
「ヘェー,そうですか。じゃあ何を使ったらいいでしようか?」
「そりゃ目的によりますよ。」
そして,この大学院生,結局ニホンザルを使うこととなった。実験に適しているからというわけではない。単に体格が大きいことと,たまたまセンターに手持ちのものがいたからというにすぎない。そして・・・
「サルを殺すにはどうしたらいいでしょうか?」
「開腹はどうんなふうにしたらいいでしょうか?」
挙句の果ては,致死量の麻酔薬を投与してから・・・
「実験室に戻って実験器具を持って来ます。生きている間に処置したいんですけど,それまで生きているでしょうか?」などと言いだす。
ナァーニ考えてんだモー,好きにしてくれ・・・
使われるサルも気の毒である。これはもう犬死ではないか。
エッ!?サルが怒ってるって!?
「オレハ サルデアッテ イヌノゴトキモノデハナイ,バカニスルナ!!」
そりゃそうだ。怒るのも無理ないよナァー。
 動物実験倫理っていうけれど,動物実験指針っていうけれど。現実にはそんなレベルじゃない部分があるんだよナァー。とりあえず,こんな部分だけでもなんとかならないもんでしょうかネェー。